キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
単純な理由はもう一つ。
中学時代は『部活命‼』で、恋愛にパワーが回らなかった。

気が付けばいい男の隣を歩く席は埋まっていて、私の隣は空席。

この寂しい独り身生活にピリオドを打つべく男漁り……ではなく真剣にお付き合いする相手を見付けたい。

知り合いがいなければ、新しい出会いが必然的にある‼‼
勉強の成果かチンッと音がして閃いた結果、隣の市の高校に的を絞った。


中学の友達と離れ離れになるのは寂しかったけど、休日に会えばいい。

でも、まだ見ぬ素敵な(ここ重要ポイント‼)男とは、出会わなければ休日に手をカップル繋ぎする事さえ不可能なんだから。


不可能を可能にする為にも、まずは出会いが必要ってなわけでお隣りの市にある高校を選んだ。



嗚呼。

私の王子様……
どうか待っていてくださいまし。


部屋の窓の前で手を組み合わせ祈りを捧げる。



妄想膨らむ頭の中はこれからのバラ色の未来で埋め尽くされた15の春。

部屋のドアを開けたママがそんな私を見て、真剣に病院へ連れて行こうか迷っていた春のことだった。

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