キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「ほら、アズサ。あんたが泣くからサクラまで泣いちゃったじゃん‼泣き止みなって~」


あっ……、ホントだ。サクラまで泣いてる。
しかも私より号泣じゃん……


「グスッ、グスッ……。ぷっ」


サクラの泣き顔を見ていたら、悲しいのなんて忘れて笑えてきてしまった。


泣きながら笑う私を見てカエデとツバキは安心したようで、私につられて笑い出した。


「ほら、サクラも泣き止んで。鼻水垂れてるから」


サクラけは相変わらず可愛い顔をクシャクシャにして泣いていて、ツバキがそんなサクラにティッシュを差し出している。


「サクラってば泣きすぎだよ~」


自分が先に泣き出したのにも関わらず、私より涙を零すサクラに思わずツッコミを入れてしまう。


「だっ……だっでぇ~」


詰まった鼻水がサクラの透き通る声を鼻声にさせている。


あーあ。
これじゃあどっちが先に泣き出したかわからないよ。

でも……ありがとうサクラ。
こんな私の為に泣いてくれて……。

< 52 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop