キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
何だか楽しそうなカエデに引き換え、サクラは恥ずかしそうにモジモジしている。

そんなに照れるような話なの?


「カエデってば、焦らないの。サクラにも心の準備ってものがいるでしょ?」

「そうだね。そしてうちらの心の準備もいるしね。……プッ」

「もう‼カエデがそうやって茶化すから、いつも言いづらいんだよ」

「ゴメン、ゴメン。なるべく我慢するから‼」

「二人共‼アズサがまた不安になるからいい加減にしなさい」


ツバキが子供をあやす母親に見えて来てしまう。

さっきまでは、こんな風に放置されたらきっと不安になっていたけれど、ツバキが『四人で一つ』だと言った言葉でこれ程までに心に余裕が出来るなんて。


サクラが私の正面に座り、いよいよサクラの恋愛の話を聞けるかと思うと少しドキドキする。


サクラはすうっと息を吸い込み、


「あのね……、実は私……」


ゴクンと唾を飲み、サクラの言葉の続きを待つ。
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