キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

「もうっ‼二人が笑うから言うの嫌だったんだよ!私は凄く真面目なのに‼」


マミが頬を膨らませながら、カエデとツバキに抗議の眼差しを向けている姿を見ながらも私の頭は混乱している。


「まっ、待ってサクラ。王子様ってどういう事？恋の話しをしてるんだよね？」

「うん‼だからね、今は好きな人はいないんだけど、いつか私だけの王子様が現れるのを待ってるんだぁ」


先程のカエデとツバキを恨めしそうに見つめる目から一転して、少女マンガの様に目をキラキラさせながら手を組み、どこか遠くを見つめるサクラ。

本気だよ、この目は……。


どうも俄かに信じ難い話だけれど、サクラの目を見る限りは本気っぽい。

サクラのそんな様子を呆れた顔で見ながら、カエデがまた茶々を入れて来た。


「今っていうか、ずっと好きな人なんていないじゃん。サクラ、現実を見なって。
だいたい今の世の中、王子様なんていないよ？タイツなんてはいてたら、それこそ変人だよ？」


恋愛上級者のカエデが人差し指を立て、正しい恋愛価値観はこうだと説く。