キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
徳山先生は基本的におおざっぱであまりうるさく言わない人。髪が茶色かろうがピアスをしていようがうるさく注意なんてしない。


初日に「早く帰れよ~」なんて言ったのは、実はデートがあったらしい。校則が厳しいんじゃなくて、彼女が厳しい人だったみたい。

そんな話も開けっ広げにするから、どんなにおおざっぱでも生徒ウケはいいのも納得。


「あっ‼最初に言っておくが、先生、面倒臭がりだから席替えはもうしないかもしれないから、気合い入れてクジ引けよー‼ハハッ」


ハハッって……。笑い事か?なんつー教師。
でも憎めないのが徳山先生のいい所だ。



クラス委員にクジを作らせ、黒板に席に付けられた番号を書いていく。


「1番前だけは避けたいね」


振り返りながらマジな目をして言うツバキ。カエデも横から身を乗り出し会話に参加する。


「うん。ど真ん中なんて、授業中寝れないじゃん。しかも、これから先席替えなしなんでしょ?
イヤー‼マジでドキドキする‼1番前で真ん中だったら徳山先生恨んじゃうよ?」


オイオイ……。クジを引くのは自分でしょ‼‼
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