キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
カエデに対し心の中でツッコミを入れつつも、私も徳山先生を恨むかも……。だってこの先、二学期も三学期も1番前の特等席なんてやってられないよ。


「まぁ、悪い席だったら徳山先生に直談判して、二学期にもう一度席替えしてもらえるよう頼もうよ」


気楽に言ってはみたものの、あの面倒臭がりの徳山先生が、今回席替えするのだって奇跡に近い事はわかっている。


ハァ……。

ため息を付きつつサクラの様子も気になり、後ろを振り返りサクラを見ると少し緊張気味な顔をしている。


私に気付き、口をパクパクさせながら『ドキドキするね』と言葉には発せず言ってきた。

私もそれに応えるように、コクンと頷いてサクラに無言で合図を送った。



クラス委員のユカちゃんがクジの入った箱を手に持ち、廊下側から順番にクジを引いてもらいに回ってきた。

ドキドキ……。
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