キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
1番前じゃありませんように、1番前じゃありませんようにぃ‼

心の中で唱えながら、薄目で黒板を見る。


……………………

………………

………


あった‼‼
廊下側の1番後ろだぁ‼
日当たりは悪くて、寝るにはあまりよくないけどそれでも1番後ろだ‼

ヤッター‼
小さくガッツボーズをする。

あっ、いけない。浮かれてる場合じゃない。


他の三人の様子を見ると、カエデとツバキも後ろの方の席だった事が丸わかりな程、ガッツポーズを取っている。

サクラだけは浮かぬ顔。
ま、まさか特等席になっちゃったとか?
声を掛けるのを躊躇うが、聞かない訳にもいかない。


「サ……サクラ?1番前だった……とか?」


恐る恐る聞いてみると、プルプルと顔を振るサクラ。

ホッ。
なんだ違うのか。じゃあ何でそんなに浮かない顔なの?


「今と同じなの……」


ボソッと一言呟く。
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