キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

*****

入学式当日。
睡眠不足にも関わらず朝の6時に目が覚めた。


まだこんな時間か……

もう少し寝ようともう一度目を閉じてみる。


けれど一度醒めてしまった脳を眠りに就ける事は出来ず、10分で寝るのを諦めベッドから体を起こした。



遮光カーテンをシャッと引くと、朝日がまだ低い位置にいて完全に起きれるまでの陽射しはない。


窓を少しだけ開けると、四月といっても朝の冷え込みは春と冬の境目を感じさせる。それでも、今日の空気はいつもとは違う匂いの様な気がする。


中学生ではない私。
高校生な私。


んーっと伸びて朝日を浴びる。
ハンガーに掛けられた制服をベッドの上で眺めると、夢が一歩現実味を帯びた。



パジャマのまま1階のリビングに降りていくと、早々と起きてきた私に『珍しい』と言わんばかりにママが話し掛けてきた。


「おはよう。早いじゃない」

「うん。目が覚めちゃって」
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