キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
カエデー、ツバキー、サクラー‼カムバック‼‼

と思いながら見ていたら、オタクの小倉クンはカエデの目の前に。そして無愛想な三谷サンはサクラの横に机を移動させて来た。


おぉ……。
二人共、ご愁傷様。

と思ったのもつかの間。
すぐに前言撤回したくなる人物が、私の隣に自分の机を持って来た。



その人物とは『栗生陽亮(クリュウ ヨウスケ)』
女の噂(もちろん悪い)が絶えない人物だった……。

早くも不安を感じ出したね、この席に……。




明るめ色の茶色く染めた柔らかそうな髪をワックスでくしゃりと無造作に立て、耳には両方合わせて5つのピアス。

目は二重で、鼻筋も綺麗に通り、文句の付け所のない美形――


フワリと香る甘めの香水を漂わせ、女を惑わせる仕草。長い手足。程よくついた筋肉質な身体。

まさに『完璧』と言える。
普通の女なら、コイツの顔と身体で迫られたら、コロッといってしまうだろう。


私は、そんなコイツの事が――



大ッッッ嫌いだった。
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