キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「アズサ……、あんた知らないの?『あの噂』の事」


声のトーンを下げ、当たってもいないのに下からライトを照らされたような顔付きのカエデ。サクラとツバキも同じく暗い顔。


えっ、何!?
3人から話を聞いてみると、どうやら『出る』と言う噂がこの場所にはあるらしい……。

そんな話、一度も聞いたことないけど、市外から来た私には馴染みがないらしいが市内の中学やこの高校に通っている子たちの間では有名らしい。


ブルッと寒気がし、何もいないのはわかっているが辺りをキョロキョロとしてしまう小心者の私。

でも、やっぱり『物は試し』。
恐怖心より好奇心が勝ってしまう年頃。矛盾しているようだけど、難しいお年頃なのだ。


嫌がるサクラたちを何とか説得してみようと試みるが、どうしてもイヤだと断られる。

仕方なく諦めようかと思ったが、勇気ある私が様子を見てくる事で納得してもらった。
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