キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
しかも、下着が太ももの辺りまで下げられた女の子は『ハァン』とキスを降り注ぎながら、甘いため息を漏らしている。


あまりの光景につい硬直してしまった。
バージンを守り通している私(イヤ、守っている訳ではないが、機会がなかった)には、刺激も衝撃も強すぎる。


こっ、こんな場所でするなよーーー‼

心では叫ぶ余裕があるものの、体は言う事を聞いてくれず動けない。


その場で固まっていると、ふと陽亮のいやらしく動く手が止まった。陽亮は女の子の首筋から顔を上げ、バチリと目が合った。

ヤバイ‼‼気付かれちゃったよ~


陽亮はクスッと一瞬笑ったように見えたが、そんな事は今はどうでもいい。

目が合ってしまった私は、思い通りにならない体を何とか動かして逃げるように階下へダッシュ‼


ハァハァ……。
息を切らしながらサクラたちの元へ戻る。


「アズサ、どうしたの!?もしかして、見ちゃったの?」


サクラが私の息の上がった肩を掴み、見上げながら怯えた顔をしていた。


「みっ、見ちゃった‼」


サクラたち、あそこに陽亮がいたの知ってたの?なら教えてよ~


「やっぱり幽霊出るって噂、ホントだったんだ……」


ゆ……幽霊?

あっ、そうか……。そういえば幽霊が出るって噂があるから様子見に行ったんだっけ。


最初の目的を忘れるくらいに、パニックに陥っていたらしい。

でも私が見た事を言えるハズもなく、結局私が見たのは幽霊だった事になってしまった。



その後、いつもの教室でお昼を食べたものの、味なんてわからず。

先程見た光景が頭から離れず、心配するサクラたちの言葉も頭に入らないくらいの状態だった。

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