キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
蛇に睨まれた蛙状態の私。
誰かこの状態を何とかしてくれ~~


背中に少し変な汗を感じていると、急にアカリはニコッとした。

なっ……なに?


睨まれているより笑った顔の方が怖く感じるなんて生まれて初めての経験。
でもその笑顔は私に向けられたものではなく、私の隣に座るこの男に向けられたものだった。


「あっ、陽亮だ!席近くだね」


甘えた様な声でアカリは陽亮に話し掛ける。グッドスマイルを忘れずに。


なーにが『あっ、陽亮だ』だよ‼‼
さっきから気付いてて、私を睨んでたくせに。

心の中で『おえ~』っと吐くマネをするものの、実際にアカリの前でやる勇気はない。


男の前だとコロッと性格が変わるヤツが1番嫌いだ‼私は睨まれた事もあり、アカリに対して『苦手』から『嫌い』に変わった。



陽亮もどうせアカリにも『可愛い』とか言ってるんじゃないの!?アカリの誘いを断っていると言っても、コイツは女の子に対しては、分け隔てなく優しいヤツなんだから。


陽亮の事を良く知っている訳ではないけど、見ていればわかる。『モテる男』=『誰にでも優しい』と言う、偏ったイメージがある私。
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