キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
女の子だけじゃなく男にも優しいため、陽亮の悪口を聞いた事はないから、悪いヤツではないのは認めるけど……。

イヤイヤ……‼
それは陽亮のモテ男作戦なのかも!?


一人勝手な妄想を広げていたが、陽亮は私の予想を反した態度を取った。


「ん?あぁ、近いな」


冷たい言い方ではないけど、それだけですかい??

と自分に言われた訳じゃないけど、私でさえツッコミたくなるくらいあっさりした返事。


いつも陽亮が見せるキラキラした笑顔ではなく、口元を少し上げた程度の笑い。


挨拶程度の笑顔をアカリに見せた陽亮は、カバンからスマホを取り出してホームルーム中だというのにメールに集中し出した。


そんな素っ気ない陽亮の態度にアカリはいたくお気に召さなかった様子。少し拗ねたように口を尖んがらせると、またもや私を睨んできた。


陽亮のこの態度に疑問を感じつつも、目の前の鬼夜叉に気を取られ、それどころじゃない。


私が一体何をしたって言うんだ~~‼‼

思わず机をバンッと叩き立ち上がって叫びたい衝動に駆られつつもアカリをチラリと見るとまだ鬼の形相でいるから、そんな勇気は穴の空いた風船の様に萎んでいく小心者の私。


とにかく何でもいいから、一刻も早く席替えをもう一度してもらおう‼

アカリの超理不尽な八つ当たりにも堪えられる自信はないし、陽亮とだって一方的ではあるけれど気まずさを抱えたまま隣にいたくない‼



でも、この意気込みも虚しく、この後席替えをする事はありませんでした……(後日談)



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