キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
理由その③(予想)めんどい

たぶんこれが1番の理由だと思われる。
後でサクラ達と徳山先生の却下理由を話し合った結果、この線が1番濃厚だろうという事になった。


うなだれつつも、これ以上徳山先生に食い下がっても無駄なような気がして、重い足取りで職員室をあとにした。

行きはヨイヨイ、帰りは辛い~ってね。


ハァァァァァァ~~~。
今度は廊下に響き渡る私の溜め息。




教室へ戻り午後の授業が始まると、余計に私のテンションも下がる。

横からは甘い香水の香と、前からはそれを上回るキツイ香に私の鼻も心も侵されっぱなし。


陽亮は相変わらず私にからかってるんだか、真面目に言ってるんだか『今日も可愛いね』なんて歯の浮くようなセリフを吐いてくる。

いったい、コイツが何を考えてるんだかわからない。


そりゃ『可愛い』と言われたら悪い気はしないけれど、その言葉を地獄耳で聞き付けるアカリの背中から溢れる殺気混じりの空気を感じると、照れるより先にアカリの近くで言うのはやめて欲しいという気持ちが先立つ。


それに、陽亮やアカリの事を気にする前に私にはやるべき事があった。

き……期末試験どうしよ~


ハァァァ~~。
本日三度目のため息。

今日は三回も幸せが逃げて行っちゃった。
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