キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
部屋で少しドキドキしながら制服を手に取り、着替えをする。

シワ一つない、真新しい制服。
今日からこの制服が私のユニフォームであり、ある意味相棒となる。



制服を着終わり、鏡の中に映る今までとは違った自分を見ると不思議な感覚に捕われた。


こんな自分は知らなくて、でも描いていた理想に近づけて。鏡の中の自分を余念なく、おかしな所がないかチェックをする。


ボタンは一つ開けた方がいいのか。
それとも二つあけた方がまだ幼さの残る顔を大人に見せてくれるのか。

とくにスカートの長さは、少しでも脚が長く見えるよう完璧なまでに調整をした。


膝上数センチ単位で勝負は決まると何かの雑誌で見てからは、テクを学ぶためにモデルの足長さんたちを穴が空くほど見た。

中学の頃はセーラーだったから、ブレザーは新鮮に思える。


ブレザーの制服に身を包むと、想像や妄想だけじゃない。

本当に今日から高校生なんだ。


実感が湧いてきてクルリと一回転してスカートを靡かせる。靡いたスカートの裾が綺麗におさまったのを見てにんまりと鏡の中の私は笑っていた。

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