キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「アズってば、そんな問題もわかんねーの?」


ムカッ‼

次に見た陽亮の目は、いつもの様に意地悪くて先程見せた真剣なそれとは違っていた。


でも私にはその方が安心出来て、ホッとする。意地悪な方が安心するなんておかしな話だけれど、急に真剣な目をされてもどうすればいいのか困ってしまうから。


「うっさい‼じゃあ陽亮はわかるの?」


陽亮につられて、私もいつもの自分を取り戻す。誰かにドキドキして、乙女チックな自分なんて想像しただけでも気持ち悪いったらありゃしない。

『ありゃしない』ってババ臭いけれど、これが普段の自分。


――そう。
さっきまで陽亮相手にドキドキしてた自分が変なんだ……。


「あったり前じゃん!オレこう見えて成績いいんだよ?教えてやるよ、スマホを借りたお礼に」

「こう見えてって自分で言っちゃってるし!」

「うっせー‼アズのマネしてみた」
< 94 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop