キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
そう言う陽亮は何だか子供っぽくて、初めて可愛いって思ってしまった。


見た目は男っぽくて、でも顔は女顔負けの綺麗な顔立ち。中身は時々子供っぽくて……。

陽亮に惚れる女の子たちの気持ちがほんの少しだけわかる気がした。みんなギャップ負けしてるのかも。



数学の公式をいとも簡単に陽亮は解いていき、私にもわかりやすく説明をする。

成績がいいって嘘ではないらしい。


が‼
こんなチャラ男に数学が解けて私に解けないのがちょっと悔しかったけれど、そんなちっちゃなプライドよりも、『楽しい夏休み』の方が大切。

間違っても補修という牢獄に身を投じる事だけは避けたい。


素直に陽亮の説明を聞き、テストもとりあえずは空白のないよう答案用紙を埋める事が出来た。



でも数学よりももっと難しく難解不可解な陽亮。

真剣なのかふざけてるのかはわからないけれど、時々私に向ける眼差しをこの時から少しずつ感じていた――。



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