“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから


「それで安村さん、
今日も大丈夫でしたか?」


早苗さんは本名“島田 早苗”を隠し、

“安村 ミサト”という偽名を使って野崎の病院に潜入している。


あまり公にできないけど・・・

警察がとある力を使って作成する、
偽造保険証、偽造免許証・・etcで、

完璧に今の早苗さんは“安村 ミサト”という女性に成りきっている。


俺達もおとり捜査をしている間、
彼女のことは偽名で呼ぶ事にしていた。



「父親を殺された一人娘。
ここまではうまく演じれていると思う。

野崎は心療内科医としてはトップクラスの人間ね。

“メンタリスト”としてテレビ出てもいいんじゃないかってぐらい、人の心に踏み込んで治療するのがうまいよ。」



早苗さんからの報告は毎度捜査員に伝えられていた。


鉄槌者が釣れればいつ犯行に及んでもおかしくない。


“加害者”役の森本刑事もまた、架空の人物に成りすまして署が用意したアパートで生活を続けている。

そして彼の周りは護衛・監視で密かに捜査員が固めていた。


< 114 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop