“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから


早苗さんとの電話はそのままに、
川辺課長が俺達捜査員の方を向く。


「皆!野崎が我々の思惑通りついに動くぞ。

土曜日は加害者役の森本刑事の周辺を徹底的に固める。

今から当日の班分けと張り込み場所を伝え・・・・・・・・真田?」


「真田さん・・!!」


意気揚々とする川辺課長をガン無視で、
ひょいっと席を立った真田さんがスマホに近づいた。



「早苗、聞こえるか?」


<・・真田君?
うん、聞こえてるよ。>


「他に何か変わったことは?
野崎は同窓会のくだりを伝えた後なんて答えた?」


<特に変わったことは言ってないよ。

“昔の友人と思い出話をするのは今のあなたにとってとても良いこと”

って言ってくれたぐらいかな。>



「・・・そうか。
あと・・」


「真田!後にしろ!!
班割りを説明するぞ!」


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