“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
<こちらC班、森本刑事が店を出ました。
これより帰宅していきます。>
「よし、A班~C班は十分距離を取って森本を追え。
D班、E班。
間もなく森本がそっちに向かう。油断するなよ。」
いよいよか・・・。
本当に・・来るのか?
緊張の色を隠せない川辺課長の表情を見て、自然と俺も脈拍が早くなっていく。
「真田、アパート周辺の様子はどうだ?」
<・・・・・・・・・・>
森本刑事が仮住まいしているアパート前で張り込んでいる真田さんに、川辺課長が無線を向ける・・・
・・・けど?
「真田。応答しろ。」
<・・・・・・・・・・>
「・・・・・おい小西、
どうなってる!?」
「知らないですよ。
みんなに差し入れ買ってきてるんじゃないですか?
真田さん、よく張り込みする時、
アンパンと牛乳買ってきてくれるので。」
「持ち場を離れてるのかあいつ!!
謹慎中に何を反省したんだまったく。」
・・・だから俺も一緒にアパート前に張り込ませてくれれば良かったのに。
結局、俺は川辺課長ほか数人と一緒に、トラックに扮した本部で森本刑事の無事を待つ。