“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「・・・・・・・。」
「ついに現れたか野崎め・・・。
小西、いつでも準備しておけ。」
「・・・・・。」
「小西!聞いてるのか!」
「あ、はい!了解です。」
俺達本部は、恐らく鉄槌者が犯行に及ぶなら“ここ”だろうと推理した、
人目につかないコンビニ跡の近くで待機していた。
もうすぐここに・・森本刑事達が来る。
「D班、E班、報告しろ。」
<こちらD班。
既に野崎を視認しています。>
<こちらE班。同じく。
いつでも確保できます。>
“良し”と小さく漏らした川辺課長が、
森本刑事の耳につけられたイヤホンと繋がっているもう1つの無線機を手に取った。
「森本、君の後ろを野崎がついてきている。
この無線を終えてから30秒後、
ゆっくりと立ち止まって振り返れ。」
<・・・・了解。>
「野崎が近づいた所で各班一斉に突入させる。ギリギリまで奴を引きつけろ。」
<はい。>