“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
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「警察だ!大人しくしろ!!」
捜査員の怒号が聞こえる中、
本部を飛び出し、川辺課長と共に全力疾走で現場まで辿り着く。
現場ではうつ伏せの状態で捜査員に取り押さえられている野崎が、
“違う!違う!”
と連呼しながら何かを訴えていた。
川辺課長が息を整えながらそこに近づく。
「野崎・・・こんな時間に森本君に何の用事かな?
おい、逮捕しろ。」
「ま・・待って下さい!
一体これはどういう事なんですか!?」
「往生際が悪いぞ野崎。
お前の患者の“安村ミサト”も、
お前が今から殺す予定だった“佐山 カツジ”も刑事だ。
現行犯でお前を逮捕する為、
我々が“おとり捜査”をしていたんだよ。」
「け・・刑事・・・?
安村さんは警察の人だったんですか?
・・その人も・・?」
「ようやく理解したか・・・
鉄槌者 野崎マサアキ!」
「!?・・ち・・違う!
刑事さん・・僕は違う!」