“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「野崎先生。佐々木チヒロはどういう子だったんですか?」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
野崎は何かを思い出すように少し上を見上げた。
「スタッフとして採用面接に来てくれたあの子を僕は歓迎しました。
“ここに通う患者さん達が、先生の治療によって立ち直っていく過程をサポートしたい“
真っ直ぐな目で僕の事を見てきて・・凄く嬉しかった。」
恐らく佐々木チヒロはそうやって言葉巧みに野崎を騙して、
“犯罪被害者”もしくはその“遺族”と接触できる機会を・・・
自分が殺すターゲットをピックアップする機会を得る為にこの病院に近づいたんだろう。