“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから


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真田以外からの取り調べは受けないことにした。


警察署に連行され、僕はまずその事を伝えた。


意外とこの願いはすんなりと通り、

昨日もその前も、そして今日も、
僕の前にはあの男が座る。



逃げようと思ったら逃げられたかもしれない。


連行される途中で、どこからともなく全力疾走で駆けつけた過呼吸寸前の小西が合流したけど、


僕と対面したあの時・・
あの場には真田しかいなかった。


今日も僕の目の前に座る男。

今日もヨレヨレのスーツを着て、

今日も右側側頭部の寝ぐせがピンと伸びている。



クリニックに来ていた時も・・こんな感じだった。


そこにはあの夜の面影は無い。



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