“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「・・・なるほど・・。
“遺族達の為に”という正義感を言い訳に使おうとしてたってわけね。」
「・・そんなところです。」
「じゃあ弁護士にでも言っておいて。
裁判で情状酌量に使ってくれるかもしれないから。」
「・・肩透かしですよ・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・?・・どうしました?」
「少し前の俺なら、
“動機”を一番重視していた。
どうしてこんな事をするのか、
動機は人によって様々だけど
それを起こした理由も一緒に解明していくのが俺の使命だと思ってた。」
「・・・・・・・・。」
「でもある事件をきっかけに、
その考えはもう捨てた。
俺が動機にこだわったせいで、
大切な友人を失ってね。
だからもう動機なんてどうでもいい。
罪を犯した事実。
それを裏付ける証拠。
それがあれば他はもう興味無い。」
「・・・・・・・・その目。」
「ん?」
「その目ですよ・・。
ようやくまた見れた。
あの夜、僕を追い詰めたその目・・・・。」
「・・・・鏡見てるみたいだったか?」
「!?」
「まっ、機会があったらまた話してあげるよ。その事件のこと、その後の話を。」
「・・フッ・・楽しみにしています。」