“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
そんな僕とは対照的に、
僕が育った家はいわゆる“温かい家庭”で、
夕飯時になれば両親や弟、家族4人でテーブルを囲み、
テレビに映る番組を見ながら談笑をする、どこにでもありそうな風景が毎日溢れていた。
だから、
“僕は異常な人間かもしれない”、
ということを理解するまでにはそれほど時間はかからなかった。
この心の内は誰にも言わないでおこう。
もしこの事を父さんと母さんが知ったら悲しむに違いない。
毎週日曜日に、
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のアニメを僕達子供と一緒に楽しく見る両親の顔を見て、
僕は異常な思考から正常な思考へと頭を落ち着かせ、
月曜日からの小学校に備えるといった作業を繰り返していた。