“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「真田さん。」
「・・ゴホッゴホッ!!」
「いやだからかけすぎだって言ったじゃないっすか!」
慌てて水を飲む真田さんもそのままに話を続ける。
「犯行現場の話なんですけど・・・。」
「ゴホッ・・うん?」
「特に2件目の向井なんかが特徴的で、
俺達は当初、帰り道を歩いている所を襲われ、
そのまま神社の境内に引きづり込まれてトドメを刺されたと考えました。」
「まぁ普通に考えたらそうだろうな。」
「ところが鑑識の結果では神社の前の道路や、境内への入り口には血痕などの争った痕がなかったんです。」
「・・帰り道に襲われたわけじゃなくて、
被害者はそこにあった神社に立ち寄り、
その中で襲われたって事か?」
「他の2件もほとんど同じ様な状況です。
状況的に被害者達は自宅までの帰る途中、
“わざわざ”その場所に立ち寄って殺害されました。」