“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
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ふと思い立つと、
僕は自らの首に真っ白なロープをかけ、
両端を持って少し強い力で引っ張っている。
それは決して自殺をしようとしているわけではなく、
僕が殺した2人目の人間 向井がどんな苦しみを味わったのかを確かめたいから。
刺殺の次は絞殺と決めていた。
ナイフで突き刺す動きと違って、今度は力一杯ロープを引っ張らなければならない。
まるでそれは狂ったピエロのように、
僕は久し振りに心から笑いながら奴の首に巻き付けたロープを引っ張った。