“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「小西、そんな事より9時からの捜査会議。ちゃんと資料準備してある?」
早苗さんに呼ばれて、捜査員分のコピーを取らなければいけなかった事を思い出す。
「はい。今やるところです。」
「・・・忘れてたでしょ?」
見透かされたような視線を送られたけど構わずコピー機へと向かった。
真田さんの帰還を待ち望む理由はもう1つある。
3ヶ月ほど前からある連続殺人事件が発生していた。
“連続殺人”というのはあくまでこちらの推測だけど、そう考えるには十分な要素がある。
始まりはムコウジマ警察署管内、
2件目以降は他の警察署の管内で発生し、
広範囲にも及ぶこの事件に合同捜査本部が立てられていた。
だけど犯人への手掛かりは一切掴めず、
捜査は見事に難航。
ピリついた雰囲気が署内に漂う中、
ついにうちの署長が決断した。
“真田を呼び戻せ”
謹慎期間を繰り上げ、ついに今日・・・・