“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「小西、行くよ。
早川さんどうもお邪魔しました。
お茶もご馳走様です。」
「私の方こそすっかり話し込んでしまいすみません。またいつでもお越し下さい。」
父親は俺達を見送ろうと先に玄関へと向かう。
「・・そうだ早川さん!
大事な事を忘れていました。」
その後ろ姿を慌てて呼び止めた。
隣の早苗さんも少し驚いた表情を見せる。
「はい。なんでしたか?」
「真田ダイゴという捜査員の名刺を持っていますか?
実は彼の名刺に書かれている携帯電話の番号に誤記が見つかったので回収作業をしているんですよ。」
「・・はて?真田さんですか?
私は貰っていないと思いますが・・・。」
「念の為ご確認頂けませんか?本人も誰に渡したか覚えていないようなので・・。」