“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「小西。」
「はい。」
真田さんがポケットに手を突っ込んだまま俺に合図してきたので、
胸ポケットに手を伸ばし、
警察手帳を取り出して受付の女性に見せる。
「ムコウジマ警察の者です。
野崎先生はいらっしゃいますか?」
「あ、は、はい。
少々お待ち下さい。」
女性は俺達が患者でない事が分かると、慌てて手元に置いてあった電話機を取ってボタンを一つ押した。
恐らく電話先の相手は野崎 マサアキ・・。
「・・・・・先生。
警察の方がいらっしゃってるんですけど・・・・・
・・・はい、分かりました。」
真田さんは手持ち無沙汰に病院内を見回している。
外見はかなりこじんまりしていたけど、中は白を基調としている綺麗な院内だった。