“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから


「小西。」

「はい。」


隣を歩く真田さんからも、
気のせいか緊張の色が現れている。



「・・・あの受付の子、可愛いな。」


・・・・やっぱり俺の気のせいだった。


思わずズルッと転びそうになるのを我慢して、

無言で“今はそれどころじゃ無いでしょ!!”と視線を送る。


まったくこの人は・・。


緊張感のかけらも無いのか、
無類の女性好きをここでも発揮する。


でもおかげで俺の表情も少し和らいだ。

俺達が疑っている事は野崎にはバレないようにしないと。

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