“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから


「すっかり話し込んですみません。
そろそろ失礼します。」


真田さんは野崎と少々の雑談を続けた後、席を立ちあがる。

俺も部屋を出ようと扉の方に体を向けた。


「刑事さんが担当された事件被害者の方にも、もしお困りになっていたら当医院での受診を勧めてあげて下さい。

僕はいつでもお力になりますよ。」


「分かりました。それではまた。

あ、それからここに我々が来た事、

そしてお話しした内容はくれぐれも誰にも言わないようお願いします。」


「承知しました。」


“ガチャリ”


診察室を出る時までは野崎に笑顔を見せていた真田さんだったけど、

扉を閉めて野崎の姿が視界から消えると、
まるで別人になったかのように無表情となった。


「とても3人を殺したとは思えない程の落ち着きでしたね・・。」


「・・そうだな・・・・。
・・腹減ったからうどん食べに行くか。」


「・・・?
はい・・分かりました。」


尿意を催したので廊下の途中にあったトイレで2人並んで用を足す。





















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