“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
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4人目を殺そう。
仕事を終えて帰宅して、僕は決意を固める。
一瞬の高鳴りから一気に気分が沈んだ。
レストランで自分が頼んだ料理が運ばれてきたと思ったら、隣のテーブルにいってしまったような気持ちに似ている。
突然の警察の訪問に心臓の鼓動が速くなったが、
どうやら警察は・・あの真田と小西という刑事はとんだ見当違いの推理をしているらしい。
目の前にいた僕の正体に・・
それは全く無駄な捜査だという事に気付かず、充実感漂う表情で彼らは去って行った。
ようやく現れたと思ったらこのザマだ。
せっかく頭に描いていた警察との対決も、
現実はこんなものかと思い知らされる。
これなら4人目を殺した所で、
一生警察は僕に気付くことは無い。
すぐに支度をして、再び家を出た。