“幸せ”だって無くして気がついた 馬鹿な僕だから
「こんばんは。」
「・・??・・・こんばんは。
どうしたの?」
耳に付けたイヤホンからは、
僕が好きな歌が永遠リピートされる。
“音楽を聴きながら”
というのは発想も無かった。
悪くない。むしろ楽しさが2倍になる。
ただ・・・相手の悲痛な声が聞こえないから今回限りにしよう。
血まみれの西島が僕に何か言うが、
音楽にかき消されて聞こえない。
「地獄にも桜があるといいね。」
耳元でそう呟いてあげると、
最後に彼にとって人命よりも大事なカプチーノを一口飲ませてあげた。
第3章 完