【短】あなたの声。

「一人暮らし?」

「うん。
 ま、母さんからしょっちゅう電話かかってくるけど……。」

「あはは。
 うちは間逆だよー。あたしに無関心って感じ。」


そういってる間にエレベータが来た。

「寂しい?」

「少し、ね?
 でも自由だから気楽かな?」

「うちの母さんと結月の母さんを足して2で割ったら丁度かもなー。」

「あー。かもね。」


友達みたいな会話をしながら部屋に入った。

「あ。適当に座って?」


そう言って奏は台所へ行った。

部屋まで落ち着いてるな……。


モノトーン系で統一されているのにベッドには

カラフルなドット柄のクッション。


……前の彼女がくれたのかな?

ってダメダメ!!

今の彼女はあ・た・しぃっ!!


「あ。そのクッション、母さんが送ってきたヤツだから…。」

「へっ?あ、そうなんだ。」

「俺の趣味考えて欲しい……。」


「面白いお母さんじゃんっ♪」

茶化すように言うとむぅっとした顔をしていた。

なんか安心してしまった。


ソファに座ってる奏と
ソファにもたれかかり、床に座ってるあたし。

あたし、なんで床に座ったんだろ……?


「結月。なんでそんなとこにいるの?」

「わかんない。」

「こっちおいで?」
< 11 / 35 >

この作品をシェア

pagetop