【短】あなたの声。
「一人暮らし?」
「うん。
ま、母さんからしょっちゅう電話かかってくるけど……。」
「あはは。
うちは間逆だよー。あたしに無関心って感じ。」
そういってる間にエレベータが来た。
「寂しい?」
「少し、ね?
でも自由だから気楽かな?」
「うちの母さんと結月の母さんを足して2で割ったら丁度かもなー。」
「あー。かもね。」
友達みたいな会話をしながら部屋に入った。
「あ。適当に座って?」
そう言って奏は台所へ行った。
部屋まで落ち着いてるな……。
モノトーン系で統一されているのにベッドには
カラフルなドット柄のクッション。
……前の彼女がくれたのかな?
ってダメダメ!!
今の彼女はあ・た・しぃっ!!
「あ。そのクッション、母さんが送ってきたヤツだから…。」
「へっ?あ、そうなんだ。」
「俺の趣味考えて欲しい……。」
「面白いお母さんじゃんっ♪」
茶化すように言うとむぅっとした顔をしていた。
なんか安心してしまった。
ソファに座ってる奏と
ソファにもたれかかり、床に座ってるあたし。
あたし、なんで床に座ったんだろ……?
「結月。なんでそんなとこにいるの?」
「わかんない。」
「こっちおいで?」