【短】あなたの声。

ぽんぽんと自分の足の間をたたく奏。

そ、こ?


かぁっと全身が熱くなるのが分かった。


ドキドキを抑えながら、
そこに座った。

『ふっ。』っと満足そうに笑ってあたしを後ろから抱きかかえる。

「可愛い。」


そんなコトバ。
言われ慣れてないんだから……。

どう反応していいのか分からない。

「かな、で。」

訳もなく名前を呼びたくなって振り返ると
優しくて甘いキス。


チカラが抜けて完全に奏のペースになる。

その時、


―――♪♪♪…

奏のケータイが鳴った。


奏は『はぁ』っと小さくため息をついて

「ごめんな?」

といった。

「いいよ。出て?」

「ん。」


ケータイをもって廊下に出た。

「もしもし?」

声、聞こえちゃってるけどね?


ダメと分かっていても耳を澄ましてしまう。

「カオリちゃん?」


 
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