【短】あなたの声。
始まり。
あたしは普通の女子高生。
本当に普通。
見た目、成績、性格。
どれをとっても何処にでもいるようなコ。
彼氏の奏との出会いは、
あたしがケータイを落としたことから始まった。
“携帯依存症”のあたしは当然パニック。
慌てて公衆電話から自分のケータイに電話した。
―――プルルルル、プルルルル、プルルッ
「もっもしもし!?」
『…もしもし?』
その声にドキドキした。
声が震えないように、ゆっくり落ち着いて話そう。
「あの…あたしのケータイ……」
『あ。もしかして、このケータイの持ち主のコ?』
「はい。」
『良かった。どうすればいい?』
「あ。取りに行きます。
何処行けばいいですか?」
場所を聞いて受話器を置いた。