【短】あなたの声。

マザコン?

今、そんなの関係ある?


「俺の母さんさ『母さん』って呼ばれんの嫌なんだと……。」

「はぁ…。」


なんか、話が読めない。

今はカオリさんの正体を聞いてるはずなのに。

「だから、『カオリちゃん』って呼ばされてるわけ。」

「つまり…カオリさんはお母さん?」

「そう。」


嘘。
お母さん!?

あ。だから『マザコン』?


っで、でもまだ疑惑がたくさんある。

「電話で、あたしが部屋にいるのに
 『もちろん1人だ』って……。」


あれは浮気を隠す為だったんじゃない?

「あぁ、だって母さん俺に彼女が居るって知ったらぜってー家にきて大変なことになるから。」


だから、1人って言ったんだ……。

「もちろん、いつかちゃんと結月のことは紹介するから。」


そのコトバに涙がこぼれた。

さっきとは違う涙。


「え?え!?
 ごめん。俺変なこと言った?」

フルフルと首を振った。


だって、親に紹介って。

遊びじゃないってことでしょ?

真剣に想ってくれてるってことでしょ?


そんな嬉しいことサラッと言わないでよ…。

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