【短】あなたの声。

「はい。ケータイ。」

ぼぉっとしていたあたしは
ケータイを差し出されたことに気付かなかった。


「要らないの?」

目の前でプラプラと揺れるケータイ。

…はっ!!

「いっいります!」

「はい。どーぞ。」

「ありがとうございます。」

「どーいたしまして。」


ふんわりとした笑顔に…堕ちた……。

好き。
一瞬で自覚してしまった。


怖いくらいにドキドキが止まらない。



いや、待って。

あたし、この人の性格しらないよ?

もしかしたらすんごい俺様で最悪かもよ?


慎重なあたしと、


いい。
それでもいい。

それでも、この人がいい。

この人じゃなきゃイヤ。


直感的なあたし。


こういうとき、いつも勝つのは

“直感的なあたし。”
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