青い恋
おばあちゃんはもともとは沖縄で生まれ育ったらしい。
そんなおばあちゃんは小さい頃キジムナーという妖精に出会ったらしい。
キジムナーっていうのは沖縄にある「ガジュマル」という大きな木に宿っている精霊。
いたずらをすることもあれば、逆に助けてくれたりすることもある。

そんな不思議な妖精。

『おばぁ!キジムナーってどんなだったの?!』

私はおばあちゃんと、おばあちゃんがよく話してくれる沖縄での話が大好きでよく聞きに行った。

『キジムナーに会った時はでーじ驚いたさぁ。
私は1人で森の中に迷ってしまって泣いてたさぁ、そしたらキジムナーが来て大丈夫になるおまじないをかけてくれたさぁ。』

『どんなおまじない??』

『背中に手を当てて大丈夫、大丈夫、きっと大丈夫、と言ったら本当に大丈夫な気がするさぁ』

『魔法みたい!魔法のお言葉みたいだね!!』

『私は小さい頃からこの言葉にでーじ助けられたさぁ』

おばあちゃん、今はもういないけど今もすごく好きで、私に色んなことを教えてくれたとっても大切な人。おばあちゃんは私よく言ってくれた。

『海咲、ちゅーばーにならんでもいいさぁ。海咲はちむじゅらさんだからそこだけが心配さぁ』

私はずっとこの意味が分からないで過ごしてきた。答えを聞く前におばあちゃんは亡くなっちゃったから、分からずじまい。

「海咲?またぼーってしてんの?」

「いや、なんでもない。おばあちゃんのこと思い出してただけ」

私はそう言って笑った。
< 3 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop