白馬の王子は待ちません
決断の時
佐久間さんの電話を切った後、
すぐ、ヒカルに電話をかけた。
ヒカル?
あの人から、電話来た?
ちいちゃん?
まだ…。仕事終わって無いのかな…。
忘れてるのかもね。
悲しそうな声を聞いて、余計に言い出し
にくくなる。
あたしが素直に、この混乱してる気持ちを
伝えたら…ヒカルもコウキも…
失うかもしれない。
でも…決めたんだ。言わないと。
ヒカル。お願いがあるの。
あの人から電話が来たら、2人で話す前に
3人で話す場を作って欲しいって
伝えてくれない?
え?3人って…
あたしも一緒に話したいって言ってるって
伝えて。
え?どうしたの?
お願い。
詳しい話は、その時にするから。
わかった…。
じゃあ、電話来たらそう言ってみる。
連絡するね。
その後、その日の夜コウキから
ヒカルに電話が入り。
あたしの言葉を伝えられたコウキが、
ちょっとビックリしてたけど、
明日の夜、時間を取ってくれた。
と、ヒカルは言った。
ヒカルは、
なんだかよくわからないけど…
明日ね。と、いつものように明るくて。
あたしは、何から伝えたらいいのか
迷いながら…眠りにつけずにいた。