白馬の王子は待ちません
未来は、ない…?
どうして…。
ヒカルの問いはもっともだ。
答えようとするあたしより先に、
コウキが口を開いた。
僕が…
バツイチで、息子がいるからです。
ヒカルは、また息を飲み。
それは…日向さんも納得していたんですか?
と、コウキを見つめた。
千恵の言うとおり、お互いその話題に
触れることはありませんでしたが…
うすうす感じてはいましたよ。
でもね、僕も…再婚には、臆病に
なっていたんだと思います。
だから、それならそれでもいいかなと
思ってました。
お互い…一歩踏み出すような気持ちまで
無かったってことでしょうね。
コウキの言葉に、胸が痛む。
そのとおりなんだよね。
そのとおりなんだけど…
じゃあ…ちいちゃんは、コウキさんとは…
ヒカル…。
あたし…自分でも混乱してて訳わかんなくて。
ヒカルがコウキを選んだのを見てから、
いてもたってもいられなくて。
みっともないよね…ほんと。
自分で、どうしたいかわからないのに、
ここにいるの…。ごめん…。
それ以上言えずに…うなだれてるあたしを見て
ヒカルが…クスっと笑った。
ちいちゃんでも、そんな取り乱すこと
あるんだねぇ…。
今日は、ビックリだらけだよ。
予想外の反応に、驚いて顔をあげたあたしに
ヒカルは、微笑んでいた。