白馬の王子は待ちません
日向さん…。あたしには、なんて言う
つもりだったんですか?
え?ああ…。僕の状態を説明して…
謝ろうと思ってました。
結婚を望んでるヒカルさんには、僕は
不向きですから。
あたしの目の前で、ヒカルとコウキは
しばらく見つめ合っていた。
そして…ヒカルは言った。
もし、それでも日向さんとお付き合い
したいと言ったら…どうしますか?
え?
驚いて、赤くなるコウキが目に入った。
ああ、やっぱり…と思う。
そして、さっきより胸が痛む。
あたしも、ビックリし過ぎて混乱してるけど。
日向さんを…好きになりそうな気持ちが
消えた訳じゃないみたい。
でも…
ちいちゃんは、自分でも気がついて
なかったんだよね?日向さんのこと
…好きだって。
日向さん、こんな取り乱したちいちゃん、
見たことあります?
あたしは無いなぁ。
本気で、日向さんを好きなんです。
ちいちゃん。
日向さんも…ちいちゃんのこと、
本気で考えてあげて下さい。
あたしは…
んー…あたしも、あきらめたくない…です。
できたら、あたしとの未来も、考えてみてください…お願いします。
ちいちゃん…ごめんね。
いい…?
遠慮がちに聞くヒカルに、抱きついて
あたしこそゴメン。と、言ったら、
涙が落ちた。