白馬の王子は待ちません

あたしとヒカルを目の前に、

コウキが、ふぅ。と、大きめの息を吐いた。

お2人さん…一緒にちょっと頭冷やしましょ。

ほら、飲み物来てるし。
なんだか、もう喉がかわいて…。

ほらほら、と急かされてグラスを持ち
複雑な表情のまま3人で乾杯した。

一気にグラスを開けたコウキが、
店員さんにおかわりを頼む。

一息ついて、あたしたちの方を見て、

あの…俺、なんだかまだ実感が無いんだけど。
簡単に出せる答えじゃないから、
少し時間ください!

いやでも、人生最大のモテ期かな?
と、笑うから。

あたしたちも、少し気持ちが軽くなって
一緒に笑った。


あたしらしくなくて、かっこ悪かったけど…
それでも、素直に自分の気持ちを出せた。

もういい。大丈夫。どんな答えが待ってても。


その後、あたしたちはしばらく飲み続け。

おばあちゃんの所で待ってる息子くんの
ためにと、早めに解散した。

家に着いた頃、
コウキからメッセージをもらった。


今日は、見たことない千恵を見て
正直驚いた。
すぐではないかも知れないけど、
俺なりに結論を出すよ。



いいよ。ゆっくりで。
モテ期を楽しんで。

あたしの返信に、


了解。のメッセージ。


ヒカルは…今、何を考えてるかな…。

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