白馬の王子は待ちません

真剣な顔に、ちょっと驚いた。


何…??


佐久間が…千恵を待ってるはずだ。


一瞬、何を言われたのかわからなかった。
佐久間さん…?
くまさん!?どういうこと?


パーティーの男の数が足りなくてさ。
俺の友達に頼んで参加してもらったんだ。


コウキの…友達?

そう言えば、友達に誘われてって言ってた。
あの電話の後、連絡無かったけど…。


でもな?
俺は千恵のことは、話してなかった。
本当に。神に誓って。

パーティー終わってから、電話が来て
千恵のこと聞いた時は、ほんと驚いたよ。

それでも、あいつは…俺に、頼むって。
千恵のこと、ちゃんと考えてやってくれって
言ったんだ。



もちろん、あいつが待ってるからって
この答えを出したわけじゃない。
あいつの為にも、真剣に考えて…
俺は、俺の気持ちに素直になることにした。


俺が言うのもなんだけど…本当に
いいやつなんだ。
明るくて、優しい、自慢の親友なんだよ。

それだけは、言っておこうと思って。


あたしを見つめる目が…
嘘じゃないことを物語ってる。

嘘みたいな話だけど…。

あのパーティーで、あたしとコウキの
パートナーがチェンジした…わけか。
お互いの友達に。

ヒカル、コウキをよろしくね。
コウキも、ヒカルをよろしく。


2人を残して外に出ると、
少し冷たい空気が気持ちよかった。

あたしも、前に進もう。

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