白馬の王子は待ちません
ちいちゃん…。
ありがとう!
なんか、元気出てきたよ。
あ、そうだ。
さっき、ちいちゃん話しかけられてた?
ああ…。
えーっと…後でお話をーって言われた。
そうなの!?
よかったね!さすが、ちいちゃん!
ニコニコして満足そうなヒカルを見て思う。
素直にそう言えるとこが、ヒカルの
いいとこなんだよね…。
女同士の嫌なとこは、色々見てきた。
それほど女友達も多くはないけど。
ヒカルと長く付き合ってこれたのは、
この素直な優しさを知ってるから…
なんだろうね。
ほんと、幸せになって欲しい。
あ、休憩終わっちゃうよ。
いそご!
会場に戻ると、もう始まってるかのように
盛り上がってる。
わあ…。
2人で、固まりながら空いている場所を
探していると、
千恵さん!と、さっきの人が手を上げている。
ヒカルが、ちいちゃん!頑張って!
と、あたしの背中を押す。
え、ヒカルは?
あっちの方、行ってみるね。
あたしも、頑張る!
…わかった。頑張ろ。
ヒカルの姿が見えなくなって。
目をやると、さっきの人が待っていた。
お友達と来てたんですね?
と、飲み物を渡される。
あ、そう…です。
どちらかと言うと、半分付き添いの気分で。