キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「唯先生、何かあった?」って先生。

………………???

「すみません。立ち聞きしちゃいました。
唯先生にプロじゃないって言われましたけど……先生はどうですか?
実は……今朝沙羅ちゃんのお父さんとされていた会話を
聞いてました。
梓先生に『恭子先生の沙羅ちゃんに対する贔屓がひどい』と相談されまして
偶然バスから帰ったら、恭子先生が話されていたので………。
先ほど園長と相談しまして………
放課後三人でお話しをさせて頂こうと思っていたのですが……
大切なうちの先生を罵倒するようでは、うちで勤めてもらうのは無理なので
このままお引き取りください。
沙羅ちゃんのことは、お父さんの会社に連絡させて頂きますから
安心してください。」って………

えっ!!

何が起こったの???

びっくりしていたら、ドアを勢いよく閉めて出ていった恭子先生。

「ちょっと、誰??
ドアは優しく閉めなさい!!」って

隣のクラスの咲ちゃんが、子供たちの仕業だと思ったみたいで怒ってきた。

「ごめん。子供たちじゃないの。」

唯の言葉に、唯と先生を見比べた咲ちゃんが

「なぁ~んだ!痴話喧嘩かぁ~」って……

違うのに~

先生に「違う違う。ヒーローが姫を助けたの!!」って言われて

飽きれ顔をした咲ちゃんに……

「そうだよ!!」

「悠人先生が、唯先生をいじめた悪い魔女をやっつけたの!!」って……

ニンマリ笑った咲ちゃんは……

「先生、今日はみんなで押しかけますね!
その時、ぜひ詳しく教えてください。わぁ!!楽しみ~」って出ていったの。

あぁ~あ…………。

またお仕事が溜まっちゃう。

今週末も仕事と家事に追われそうな不安が募る。

でも…………先生はやっぱり………唯のヒーローだなぁ~

怖さとショックで固まった心が……先生の登場にとかされていく。

今夜は、先生の大好きな唐揚げを作ろう!!
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