キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「森先生を可愛いって思う人が、唯ちゃん以外にいるんだぁ!
びっくり!!
俺なんて、毎日どやされて胃に穴があきそうなのに~」って航君。

「唯ちゃんって言うな!!あれでも、先輩だぞ!」って……

先生、ひど!!

プン!って拗ねてたら

「だって唯ちゃんが、年は俺が上だから………
プライベートの時は『唯ちゃん』で良いって言ったんだもん!」って。

「唯。」って睨む目がマジだから…………もしかして………お仕置き??

うるうるおめめで、嫌だと訴えていたら

「はい、そこ!!イチャつかない!」って夏苗ちゃんに怒られちゃった。

「それでは、次は……………航!」

えっ!航君も彼女が出来たの??

「唯ちゃん、残念です。俺は唯ちゃん一筋だから…彼女はいません。」って。

あれっ??どうして唯が思ったことが分かったの???

びっくりしていたら

「何が唯ちゃん一筋だ!いい加減諦めろ!」って

先生と航君がイチャつき始めたの。

「もう、先生。ちゃんと発表させてくださいよ~
あの、俺………後1年ここで勤めたら、1度大学に戻ります。」

「「「ええっ!!」」」

「何で何で???」

「先生がいじめるから?」

「もしかして……失恋の痛手???」

面白がる人達を無視して………

「大学に帰って、幾つか欲しい資格を取って来ます。
そして、全部取れたら………またここに帰って
今度は、先生の右腕として勤めます。
なので、1年したら……一旦離れます。」って……。

………………………………。

あまりにも想像してない内容だったから………みんな唖然としてる。

「まぁ、1年あるし。
また帰って来るらしいから………良いんじゃないの?」って…一人呑気な先生。

そりゃあ、二人で相談してたんだから……先生は納得してるんだけど………

唯は納得出来ない!!

いつも唯はカヤの外で………全部決まってからしか教えてもらえない。

頼りないのは確かだけど…………淋しいよ。

いじける唯を膝にのせて「また拗ねた??」って……。

…………みんないるのに。
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