キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「チョイチョイ、唯ちゃん何処に行くの?」

おどけた声で呼び止めた洋介さん。

助かった~

涙いっぱいの目で振り向くと

……………言葉とは違って、目が全く笑っていない顔で

サッと反対の腕を引っ張られた。

いつもは、男の人が苦手な唯を気遣って絶対に触れないのに……。

ただならぬ気配を、感じ取ってくれたみたい。

振り向いた女の人は、洋介さんをチラリと見て

チッ!と舌打ちをして、去って行った。



はぁ~。

緊張の糸が切れて…………その場に座り込んでしまった。

「大丈夫??」

唯を立たせて、お店に連れて行った後

ホットミルクと羊羮を

「ごめんね。こんな物しか無かった。」と言いながら出して

先生に連絡を入れてくれたの。
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